上田小県地域の神社
古式ゆかしい神事の御筒粥卜奉告祭、蟇目鳴弦、蛙狩神事
生島足島神社で1月14日(月)御筒粥ト神事 (おつつがゆうらないしんじ)、1月15日(火)に御筒粥卜奉告祭(おつつがゆうらないほうこくさい)、蟇目鳴弦(ひきめめいげん)、蛙狩神事 (かわずがりしんじ)が斎行されました。
神事の様子を順を追ってご紹介致します。
社務所前に神職及び参列者が集まります
御本社に向かいます
御本社に入る前に十三社にお参りをし、祓い清めを行います。
十三社にお参りし、祓い清めを行います
御筒粥卜神事は前日の1月14日に神職によって、葦(ヨシ)とお米が炊き上げられた後、葦を割り、粥がどのようになっているかを見てその年の農作物や養蚕の豊饒(ほうじょう)が占われる神事です。
※御筒粥卜祭は非公開で行われます。
占われた結果はとりまとめられ、翌日の15日に占いの結果を御祭神に報告する神事が御筒粥卜奉告祭です。
占い結果は“御筒粥卜札”として用意されていまして、誰でも頂くことが出来ます。
所定の場所に神職が着き祭事の始まり
神前に向かい一礼
宮司による祝詞の奏上
占いの結果を御祭神に報告
蟇目鳴弦は悪霊を退散させる神事です。“蟇目”とは「矢の先端に空いた穴が蟇蛙(ひきがえる)の目に似ている」、「鏑矢(かぶらや)が放たれたときに蟇蛙の鳴き声に似ている」と言う説から来ているそうです。また、“鳴弦”とは弓の弦を鳴らすことを言います。
御本社内において、東、西、南、北、天、地に矢を射る所作と弓の弦を鳴らす所作が行われ、悪霊を退散させます。次に神池の畔より北東の方角(鬼門)に向かい、鏑矢を放ち、悪霊を退散させます。
鏑矢は縁起物としてご存じの“破魔矢”(はまや)と同じ形をしています。
1・東の方角
2・西の方角
3・南の方角
4・北の方角
5・天の方角
6・地の方角
7・北東の方角(鬼門)に鏑矢を放つ
諏訪大社の御祭神である“建御名方神 ”(たけみなかたのかみ)は竜神、蛇神の姿として描かれています。蛇は“建御名方神” の化身とされています。
蛙は水田などの土手を崩したり、穴を開けたりする厄介ものとされていて、蛇は蛙を見つけると丸呑みするとされているそうです。蛙狩神事はそんな蛙を退治しする神事です。
諏訪大社上社本宮では年のはじめに蛙狩神事が執り行われます。
生島足島神社は諏訪大社と深い繋がりがある神社で、生島足島神社には下宮として摂社:諏訪神社があります。
生島足島神の蛙狩神事はウツギ((空木)卯の花)で作られた弓と矢を以て斎行されます。御神橋から神池に東の方角、続いて西の方角に矢が放たれ、蛙を射る所作が行われます。矢が放たれたのちに弓も神池に放られます。
ウツギは邪鬼、悪霊を追い払う力があるとされています。“夏は来ぬ”の歌詞にも「卯の花の匂う垣根に・・・」という一節があるように境界樹などとして植えられていたそうです。
ウツギの弓と矢が神前より運ばれます
1・東の方角に御神橋から神池に2本矢が放たれます
2・続いて西の方角に2本矢が放たれます
東と西に矢が放たれた後、弓も放たれます
神池の氷に刺さった放たれた矢
宮司玉串拝礼
自治会関係者の玉串拝礼
氏子総代者の玉串拝礼
神前より“御筒粥ト札”が運ばれます
神前に向かい一礼
御本社を出ます
社務所前にて散開
ダルマや破魔矢、熊手の授与もこの日まで
占い結果の“御筒粥ト札”
先日、「まいぷれ上田・東御」取材レポートで掲載致しました“生島足島神社で授与されるダルマさん!”で書かせて頂きましたが、今回の蟇目鳴弦、蛙狩神事をご覧頂いてもお分かりのように神社では祭事の際によく弓矢を用いた所作が行われます。
「右手で弓を引き、左目を閉じ、右目で的を見定め、矢を放ち、的を射る」先にある“祈願される事”に外れずにしっかりと進み“成就”するようにと生島足島神社では右目に目入れがされているのです。
右目に目入れされたダルマさん
生島足島神社 恒例祭の案内
境内の案内図
名称 | 生島足島神社 |
住所 | 長野県上田市下之郷中池西701 |
連絡先 | 0268-38-2755 |