「まいぷれ上田・東御」取材レポート
“武田味噌醸造株式会社”さんが味噌仕込み講座を行いました!
2月1日(金)に長野県上田千曲高等学校で味噌仕込みの実習がありました。
この味噌造り実習は食物栄養科の1年生の授業の一環として6年前から行われています。
講師には「まいぷれ上田・東御」でお馴染みの武田味噌醸造株式会社の四代目である武田晴太郎さんです。
武田晴太郎さんの講座は3年目3回目となるそうです。
授業を担任されてる石坂先生にお聞きしたところこの実習は「自分達が食している食品がどのように栽培され、どのように加工され食卓に並ぶかを学習する実習」として味噌造りを授業に取り込んだそうです。
特色
「食品の性質、年齢や健康状態等に適した栄養を考え、献立・調理ができる資質を育成するために、食に関する専門的な知識と技術を習得し、将来『食 のスペシャリスト』として、専門職業に従事する人材を育成する」という教育目標の下、3年間週1回の調理実習と2種類の検定を取り入れ、 生徒一人一人に確実な力を養う教育を目指しています。長野県上田千曲高等学校HPより
ここからは味噌が仕込まれる様子を順を追って紹介していきます。
あらかじめ戻された大豆が用意され、それを潰すところから始まります。
今回は長野県上田千曲高等学校の生徒さんが農家の方に指導を受け自分達で栽培し、収穫した大豆も含まれているそうです。
※写真では少し分かりづらいところはありますが、小粒な大豆がそうです。
テーブルに広げられた大豆を手のひらで力を入れて潰していきます。
味噌仕込みに使われる大豆
指導する武田晴太郎さん
まずは大豆を潰す
均一にそして充分に潰すためにある程度潰した大豆を個々でよく潰し、何度か潰す作業を繰り返しまとめられます。
個々で潰す
潰し方のレクチャー
味噌を作るには麹の働き無しにはできません。その味噌の美味しさを決めるのは麹の働きが60%から70%影響するそうです。
用意された麹を細かく一粒一粒になるようにほぐします。麹はお米をもとに麹菌が育てられます。
一粒一粒になった麹を塩と混ぜられます。
麹と塩が混ぜられたところに、先に潰しておいた大豆を混ぜられます。
そこに種味噌という武田味噌醸造株式会社さんの秘伝の味噌を塩水で溶いたものを加え、良く混ぜます。
このときも均一に混ざるように全体に混ぜ、個々で混ぜてはまた集め混ぜ、また個々で混ぜるを繰り返します。
麹を一粒一粒なるまでほぐして
麹に塩を混ぜます
材料を全て混ぜる様子
個々に良く混ぜる様子
良く混ざったら程よい大きさに丸められます。(野球のボール程度)
丸められた味噌を樽に叩きつけるように投げつけます。これは味噌の中の空気を出来るだけ除いて、発酵途中での傷みを防ぐために行うそうです。
ちなみに今回は約35kgの仕込みということもあってこのような方法を行っていますが、通常の味噌醸造会社さんなどで作る婆は足で踏まれたり、機械を使って空気を除くそうです。
球状に丸められた味噌
球状に丸めて桶に
叩きつけるように詰めて
詰められていく味噌
味噌が樽に入ったら表面を平に均します。どうしても空気に触れると酸化してしまうため、でなるべく空気に触れる面を少なくする(表面積を少なくする)ために均されるそうです。
表面は空気にも触れますが、雑菌も付きやすいため殺菌の効果のために塩を撒きます。
最後にラップを掛けて生徒さんが作った味噌は熟成となります。
熟成期間は約6ヶ月、出来上がった味噌は調理実習の授業で使われるそうです。昨年仕込まれた味噌は今年の調理実習で使われているそうです。
平に均されて
塩が撒かれ
ラップされ熟成
味噌仕込み実習の後、武田晴太郎さんによる講義がありました。
味噌の製法や大豆の特徴、味噌の種類や特徴、大豆の生産事情や国産大豆の良さなど味噌に関わるためになるお話しでした。
ちなみに全国の味噌需要に対して信州味噌は47%のシェアだそうです。
講義をする武田晴太郎さん
生徒さんも熱心に聞き入って
生徒代表からのお礼の挨拶
今回の取材は日本の伝統食品である味噌を自分達で作り食する授業でした。
自分達の食しているものを知り、どのように加工され、作られ、食卓に並ぶかを実習を通して学習されている事に感心させられました。
取材の申し出に快く応じて頂きました“長野県上田千曲高等学校”様と“武田味噌醸造株式会社”様、ならびに関係各位の皆様に快く承諾を頂きましたことを心より感謝致します。
有難うございました。