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「まいぷれ上田・東御」取材レポート

上田市丸子に『シャトー・メルシャン 椀子(マリコ)ワイナリー』(第1部)内覧会

陣場台地を未来の台地にそして日本ワインを世界へ

上田市に2019年9月21日(土)にメルシャン株式会社の「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」がオープンしました。

 

前日となる9月20日(金)には関係各位、来賓社および報道が招かれ内覧会が開かれました。

今回はこの(第1部)内覧会と翌日9月21日(土)の(第2部)オープンでオープン及びオープンイベントをお伝えします。

椀子ワイナリー

【椀子と丸子について】

現在の丸子(まるこ)地域の地名はかつて椀子(まりこ)と呼ばれていました。

地名の由来は六世紀後半この地域を統治していた、欽明天皇の皇子の椀子皇子(まろこのみこ)の領地であったことから命名されたそうです。

現代では「丸子」と改名され読み方も(まるこ)となったそうです。


※(まろこのみこ)は【日本書紀】では“椀子皇子”と表記、【古事記】では麻呂古王”と表記されているようです。

「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」オープンまでのあらまし

メルシャン株式会社の「シャトー・メルシャン勝沼ワイナリー」、「シャトー・メルシャン桔梗ヶ原ワイナリー」に続き、3つ目のワイナリーが「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」になります。

陣場台地との出会い

シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」がオープンするまでには約19年前の陣場台地との出会いから始まります。

かつては中丸子にカネボウ株式会社の製糸工場を始めとした製糸業で養蚕が盛んだったころにこの陣場台地は桑畑が広がっていたそうです。

その後、薬用人参が桑に変わり栽培されたのですが、連作障害や価格低迷、農家の高齢化などの原因もあって、陣場台地のほとんどの畑が遊休荒廃地になってしまったそうです。

2000年に自社栽培によるワイン用のぶどう栽培地を長野県内で探していたメルシャン株式会社陣場台地との出会いがあったそうです。

標高約650mの陣場台地は緩やかな傾斜と上田地域の寡雨多照な気候がぶどう栽培に適していることから候補地になりました。

同年に遊休荒廃地の解消と地域振興のために、地元区長や町議会議員、農業委員などで組織する陣場台地研究委員会が発足し、陣場台地の土地所有者約100名の同意を得て、約12ヘクタール(第1期分)の事業導入が決まり、2002年に6.4ヘクタールの造成から始まり、2003年6月3日に「椀子ヴィンヤード」が開園となりました。更に造成が進む中で5.1ヘクタールにぶどうの植栽が行われました。

地元の方々とその後も造成と植栽が繰り返され、2010年には20ヘクタール、2018年には29ヘクタールとなり、メルローカベルネ・ソーヴィニヨンカベルネ・フランシラーピノ・ノワールプティ・ヴェルトシャルドネソーヴィニヨン・ブランの8種類が栽培され、2018年現在では約70トンが収穫されています。

 

椀子ワイナリーへ

2018年10月25日に「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」が着工となりました。

「椀子ヴィンヤード」の内に佇むシャトー・メルシャン 椀子ワイナリーは360度ぶどう畑に囲まれたブドウの栽培からワイン造りまでを見ることができる“ブティックワイナリー”で3つのコンセプトと「グラビティ・フロー」の設備設計で作られたワイナリーです。

○「地域と共生するブティックワイナリー」、3つのコンセプト
1産業・経済との共生
地元の雇用、観光、経済的な側面から捉えた、地域経済の活性化と共生を目指します。


2自然との共生
生態系調査に基づく絶滅危惧種や草原の再生、ブドウに優しいワイン造りなど、自然との共生を実現します。


3未来との共生
子供たちの農業体験、若手人材育成、地域ワイナリ―との連携など未来の時間軸を大切にします。


○設備の特長~ブドウにやさしい「グラビティ・フロー」
重力に従って優しくブドウ果実やワインを移動させる「グラビティ・フロー」を意識した設計としています。

 

キリンホールディングス株式会社ホームページより

 

 

椀子ヴィンヤード

『シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー』内覧会(9月20日)

オープンを翌日に控えたこの日、関係各位、来賓社および報道が招かれて内覧会が開かれました。

内覧会は10:00より、2階「テイスティングエリア」で開会の辞から始まりました。

 

関係各位の挨拶

・メルシャン株式会社 代表取締役社長 長林 道生(ながばやし みちお)さん

冒頭、椀子ワイナリーオープンに際して上田市、陣場台地研究委員会、地権者、メルシャンをご愛顧してくれている方々へ感謝の意を評しました。

[挨拶内容の抜粋と要約]

「日本を世界の銘醸地にすることを掲げ1990年代から自分達の手で栽培する畑を探索してきました。その際にこの陣場台地と巡り合うことができ、2003年にマリコ・ヴィンヤードを開園し16年後の今日悲願であったシャトー・メルシャン椀子ワイナリーのオープンできたことに感謝いたします。

椀子ヴィンヤードで収穫され作られたワインは既に数の賞を貰い、最近ではG7のサミットでも椀子のオムニスが取り上げられ、今年の日本ワインコンクールでは5つの金賞を受賞しました。シャトー・メルシャン全体では過去から合わせると国内外で53の金賞を貰うことができました。

この実績を社員の誇りと自信に変え、ひとりでも多くのお客様にワインでつくる素晴らしいシーンを提供していきたいと考えています。

令和の時代に日本ワインがグローバルブランドとして羽ばたいてほしいと願っています。メルシャンがリーディングカンパニーとして牽引していきたいと思っています。

2003年当時、ウィスキー事業に携わっていました。当時、ウイスキーは売れず、原酒が余っている厳しい時代でありました。それが今では販売が好調で原酒が足らない状況になっています。その要因のひとつには各ウイスキーメーカーが飲み方やシーンを提案してきたこと、そしてジャパニーズウイスキーが世界各国でたくさんの賞を取りだしたことがあり、日本人自らそのクオリティーに感銘を受け、グローバルと日本の価値の環流がはじまったと思っています。

ワインでもシャトー・メルシャンに限らず日本ワインが海外でも多くの賞を取りはじめ、価値を高めています。ウィスキーと同様に日本でポートフォリオを形成することができると考えています。

キリングループはCSVと言う考え方を経営の柱に置いていてグループ一丸となってCSV先進企業になることを目指しています。

美味しいワインをつくることはもちろん、ワイナリーを通して地域の方々、コミュニティーの活性化、環境保全に貢献する社会的価値と経済的価値を両立する想いを持って経営をしていきたいと考えてます。

日本ワインの父と称されている浅井省吾さんの残した素敵な言葉に「銘醸地は動くもの」があります。銘醸地は気候や自然環境よりも、大切なものとして高い志を抱く持ち人がつくりだすものであると考えています。

日本ワインを世界の銘醸地にするんだという高い志を社員と一丸となって夢の実現を果たしていきたいと思います。」

改めてオープンの日を迎えるにあたり、たくさんの方々に感謝の意を表していました。

※CSV戦略(Creating Shared Valueの略:社会と共有できる価値の創造)

メルシャン株式会社

代表取締役社長 長林 道生さん

上田市長 土屋  陽一(つちや よういち)さん

20年の夢椀子ワイナリー完成に対してお祝いの言葉を贈りました。

[挨拶の要約と抜粋]

「報道等において「椀子ワイナリー20年の夢の実現」と伝えられている。多くの皆様が注目している証しであるとおもいます。

陣場台地に訪れると360度の眺望と自然と調和している建物の素晴らしさを感じます。

2000年に陣場台地研究委員会とメルシャンさんで世界に通用するワイナリーを作ろうではないかと堀内会長中心にかつて桑畑、荒廃したこの地を何とかしようという志を持って行政とメルシャンさんと作り上げてきた歴史があります。2003年に椀子ヴィンヤードが完成し、今日の椀子ワイナリー完成となりました。

この日を迎えるにあたり、長林社長を始めメルシャンさんの多くの歴代社長、旧丸子町の堀内町長から上田市合併により母袋新上田市長と繋がってきました。

多くの方々が繋がる中で特に陣場台地研究委員会は2000年当時から堀内会長を中心にしっかりと心合わせ、地権者の皆様ともと心合わせてきたことがあり、メルシャンさんと行政も共に繋がってきたと感じています。改めて20年来の夢の実現に向けて歩んできたことに嬉しく思っている。

この場所は多くの地権者がいます。皆さんも地域の活性化、先祖伝来の汗と涙で築き上げた場所に多くの方々に来て頂くことを願っています。

頂いた資料には日本の世界の銘醸地を目指すことが書かれています。まさにこの地域を中心にメルシャンさんに力を発揮して頂いて実現して頂きたいと思います。

行政としても廻りの自然環境などの整備にしっかり取組み、多くの方々に訪れて頂くようにしていきたいと考えています。

この地域は千曲川ワインバレー構想の東地区に位置しています。椀子ワイナリーが中心になって連携し、東信濃を盛り上げて頂き、そして日本ワインとして世界に発進されることを期待しています。

ここにお集まりの皆さんが椀子ワイナリーの伝道者として伝えていって頂きたいと思います。」

上田市長

土屋 陽一さん

株式会社ヤマウラ 代表取締役社長 山浦 正貴(やまうら まさき)さん 

椀子ワイナリーのオープンに際してお祝いの言葉を贈られました。

[挨拶の要約と抜粋]

「設計施工を受け2018年10月着工以来、多くの方々から温かいご指導を頂き、無事故無災害で約束した工期の中で無事、引き渡せたことに心から感謝いたします。

メルシャン株式会社さんにおいては2003年に椀子ヴィンヤードを開園され、ここで採れたぶどうでワインを製造発売されて以来、たいへん多くの賞を受賞されています。世界に代表するワインメーカーです。

グローバルに活躍されている企業の活躍に少しでも貢献できたことを光栄に思います。

この事業を契機にメルシャン株式会社様、上田市の益々のご発展され、この地域がブランド化さえることを祈念いたします。」

株式会社ヤマウラ

代表取締役社長 山浦 正貴さん 

シャトー・メルシャン 椀子ワイナリーと日本ワイン事業の展望

続いてメルシャン株式会社工場長ゼネラルマネージャー 松尾 弘則(まつお ひろのり)さんより「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリーと日本ワイン事業の展望」と題された内容のプレゼンテーションがありました。

プレゼンテーションの一コマ

表題【陣場台地との出会いと椀子ヴィンヤード】

これまでの歩み”として2000年にメルシャン株式会社と陣場台地との出会い、2003年の椀子ヴィンヤード開園し、地元の方々とともに造成・植栽して2010年には20ヘクタール、2018年には29ヘクタールと拡張してきた様子が話されました。

現在は8種類のぶどう品種が栽培されているヴィンヤード、2010年に「椀子ヴィンヤードシリーズのワイン」発売がされ、「日本ワインコンクール2012」を皮切りに現在までに多くの賞を取得されている事やG7伊勢志摩サミット2016「マリコ・ヴィンヤード オムニス2012」を提供したことなどが紹介されました。

地域との繋がりにおいては2006年以降、陣場台地研究委員会の募集で収穫ボランティア支援があり、2018年ではのべ800名ほどの参加があったそうです。また、塩川活性化委員会の食育活動の一環として塩川小学校にぶどう畑の一画をジャガイモ栽培する畑として提供しています。

 

表題【シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー】

2019年9月21日のオープンの椀子ワイナリーの紹介では、360度ぶどう畑に囲まれたワイナリーであること、ぶどうに優しい傾斜を利用したグラビティ・フローという特徴の建物が紹介されました。

椀子ワイナリーは、栽培から醸造まですべてが公開されていること、テイスティングカウンター、ワインショップが備えられていること、4つのワイナリーツアーがあることなどが紹介されました。

また、訪日外国人需要に応えるための英語表記が導入されています。

椀子ワイナリーのCSV活動として地元産農産物を使用した“おつまみ”や“ランチ・ボックス”の提供、現在及び予定されている商品企画開発、各種イベントなどが紹介されました。

 

表題【日本ワイン事業の展望】

シャトー・メルシャンは2019年8月にFセラーを新設したシャトー・メルシャン勝沼ワイナリー、2018年9月にオープンしたシャトー・メルシャン桔梗ヶ原ワイナリー、そして椀子ワイナリーと3ワイナリー体制が完成したそうです。

メルシャン株式会社は日本ワインの原点を引き継ぐブランドで、現代日本ワインの父と称されている(故)浅井昭吾さんの志を引き継いでいるそうです。シャトー・メルシャン元工場長であった浅井昭吾さんは「メルシャン1社で良いワインを造っても地域全体でワイン産地として認められなければ、将来日本ワインの発展はない」と言われ、醸造技術に関する情報を無償で公開され、その志は現在のメルシャン株式会社のメンバーにも引き継がれているそうです。

シャトー・メルシャンのワインは2003年以降累計で53の金賞を受賞し、国内はもとより海外でも評価されています。

これからの展開として国際的評価を更に上げ、国内とインバウンドの評価を高めて輸出量を上げていく、価値の循環を目指す説明がありました。

その実現に向け自社管理畑面積を2018年50ヘクタールから2027年には1.5倍となる76ヘクタールに、販売量を2018年4.4万ケースを2027年には1.5倍の6.7万ケースに拡大する計画を標していました。ちなみに販売量は2019年1月から8月の前年度比で130%となっているそうです。

※1ケース=720ml×12本

 

シャトー・メルシャンの事業CSV戦略に基づき、社会的価値経済的価値の両方を創造する根底にある価値観として、シャトー・メルシャンのフィロソフィーに「調和」があること、シャトー・メルシャンのビジョンとしてOur Dreams、「日本を世界の銘醸地にする。日本ワインが日本と世界の人達に愛され、親しまれるお酒になる。日本の自然、文化、感性を継承し、飲み手の歓びへと進化させつづける。」が表され、プレゼンテーションは締めくくられました。

 

プレゼンテーションの様子

メルシャン株式会社

工場長ゼネラルマネージャー 松尾 弘則さん

質疑応答

報道関係社からは今後ワイナリーで栽培される品種や行政として交通面での考え、シャトー・メルシャンのワインの輸出に関する質問などがありました。その中で椀子ワイナリーの位置づけに対する質問では

 

長林社長:「3ワイナリー確立で対外的にも日本ワインを牽引していくメッセージが示せた考えています。ワイン消費は平成の30年間で3倍に増えたと言われているが、日本ワインは新世界のワインなどの進出で若干伸び悩んでいる。

しかし、日本ワインはもの凄いポテンシャルを持っていると思っています。3ワイナリーの確立で品質、知名度を上げながら新しいポートフォリオの実現を図っていきたい。

このワイナリーの多くのお客様が来て日本ワインに対する興味を持って頂いて、全国のワイナリーの方々と切磋琢磨して品質を高めていきたい。」

 

土屋市長:「たくさんの方々に訪れてワインを消費することに加え、地元産農産物の販売や上田紬などの販売経済効果に繋がる事に期待したいです。また、CSVの考え方を受けて地域でも農業振興も担おうとする若者も増えてきているので世代を超えて繋がりを期待したいです。」

質疑応答をする(左から)土屋市長、長林社長、松尾GM

椀子ワイナリーオープンに際して、上田市丸子地域自治センター長 竹花 国雄(たけはな くにお)さんにお話しをお聞きしました。

「念願のワイナリーがオープンしました。丸子地域の今年の大きな重点目標のひとつでありましたので無事オープンしたことに感無量です。また、ここを中心に丸子が発展して行く事を願っています。皆さんに是非、お越し頂きたいです。」と話されました。

上田市丸子地域自治センター長 竹花 国雄さん

椀子ワイナリー施設の見学

椀子ワイナリーの建物を入ると左側に3つのワイナリーのアイコンをモチーフにしたシャトー・メルシャンのフィロソフィー「調和」を表現した日本画が掲げられています。

日本画は3つの題からなっていて、それぞれの題の絵とワインが並んでいます。

その前には左から、桔梗ヶ原ワイナリーの「シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原メルローシグナチャー」×「架け橋」勝沼ワイナリーの「シャトー・メルシャン 城の平オルトゥス」×「松と月」椀子ワイナリーの「シャトー・メルシャン 椀子オムニス」×「豊かな自然」です。

その日本画の前で長林社長と土屋市長のフォトセッションがありました。

長林社長と土屋市長とワインの

フォトセッション

3ワイナリーのアイコンをモチーフにした

メルシャンのフィロソフィーを表現した日本画

椀子ヴィンヤードの見学

シャトー・メルシャン株式会社 椀子ワイナリーワイナリー長 小林 弘憲(こばやしひろのり)さんが私たち報道関係者を引率してくれました。

最初にガラス越しに樽庫の見えるホールに掲げられた椀子ヴィンヤードマップで栽培されている品種を説明して貰いました。先にも書きましたが8品種のぶどうが栽培されています。

ぶどう畑を説明する小林ワイナリー長

続いてぶどう畑の見学。説明はメルシャン株式会社 吉田 弥三郎(よしだ やさぶろう)さんが丁寧に説明してくれました。

29ヘクタールあるぶどう畑は約20ヘクタールでぶどうが実っていました。残りの9ヘクタールはまだ幼木ということでまだ実を付けていないそうです。

1本のぶどうの木は約7年で一人前になるそうで、種類にもよりますが1本の木からは2kgほどが収穫されるそうです。

椀子ヴィンヤードには幼木まで含め、約5万本が育てられているそうです。収穫されたぶどうから椀子ワインになるのは約6万本(5000ケース)が見込まれているそうです。

14年育ったぶどうの木(メルロー)

撓わに実ったぶどう(メルロー)

説明をしてくれた吉田 弥三郎さん

報道関係者

椀子ヴィンヤードに隣接する所に一本木公園があります。

大きな桜の木のある小高い丘になっていて、そこからは椀子ヴィンヤード、椀子ワイナリーをみおろすことができます。

また、椀子ワイナリーが緩やかな傾斜に建っていることがわかります。

一本木公園から

緩やかな傾斜地に建つ椀子ワイナリー

椀子ワイナリー館内の見学

グラビティ・フローの建物

椀子ワイナリーの建物の特徴にグラビティ・フローという設計思想が盛り込まれています。これは重力に従って優しくぶどうの果実やワインを移動させることを意識した設計だそうです。

ワインができるまでの工程は簡単にいうと収穫され破砕除梗(はさいじょこう)されて、発酵、圧搾され、タンク・樽で熟成され、澱(おり)引きし、濾過され瓶詰めされる工程だそうです。赤ワインと白ワインでは発酵と圧搾工程が逆になるそうです。

ぶどうは糖度を上げるため、生育時にはストレスを掛けるそうですが、破砕除梗(はさいじょこう)後はなるべくストレスを掛けないように熟成させていくのが良いそうです。

それは、移動させる際にポンプなどを使うと撹拌され、キズもつきやすくなりストレスを与えることになり、ワインの出来に影響が出てしまうからだそうです。そこで極力ストレスを掛けないようにグラビティ(重力)で落としていく方法が良く、椀子ワイナリーはこの方式をとっているそうです。

テイスティングエリアから見たワイン醸造エリア

小林ワイナリー長に赤ワインと白ワインの醸造方法を説明して頂きました。

収穫した後、選果台で選別し、除梗(じょこう:茎を取除く)破砕(はさい:ぶどうを少し潰す)し、さらに選別されクレーンでタンクに運ぶそうです。白は除梗破砕ののちに圧搾され、搾られタンクに直接、重力で流れ込ませるそうです。

椀子ワイナリーでは年間約100トンのぶどうを扱うそうです。

破砕除梗の仕組みを説明する

小林ワイナリー長

醸造タンク

発酵はぶどうの種類やキャラクターによってどういうワインに仕上げるかで3つの発酵方法があるそうです。最初からステンレスタンクで発酵させたり、木製樽で発酵させたり、最初はステンレスタンクで発酵させて途中から木製樽で発酵させ香りをつけたりするそうです。

樽庫は2つのエリアになっています。一つの樽庫は温度15℃から18℃、湿度70%に管理されワインを熟成させる場所、低温で熟成させる場所があります。シャトー・メルシャンでは熟成期間を10年から13年程かけるそうです。

また、シャトー・メルシャン全体では約130樽ほどあり、1樽からは250本のワインが取れるそうです。

発酵工程を説明する

小林ワイナリー長

樽庫

低温の樽庫

椀子ワイナリーの館内(ショップ、テイスティングエリアなど)

1階のエントランスホールを抜け、2階にあがると訪れた方々をもてなしてくれるテイスティングカウンターテイスティングルームワインショップオムニスルームテラスがあります。



エントランスホール

テラス

地元食材のおつまみとランチBOX

テイスティングカウンターでは約10種類以上のワインが揃えられていて椀子ワイナリーの限定ワインやシャトー・メルシャン各産地のワインセット単品で楽しめます。

メニューには、おつまみやランチBOXがあり、あさつゆ内にある「えだまめの会」の地元食材を使った「本日の日替りおつまみ」「ランチBOX」が用意されていてワインと一緒に楽しめます。

テイスティングカウンターでのMenu

「えだまめの会」の“本日の日替りおつまみ”

「えだまめの会」の“ランチBOX”

ワインショップでは椀子ヴィンヤードのワインをはじめ、各産地のシャトー・メルシャンのワインが30種類ほど販売されているほか、ワイナリーでしか買えないオリジナルグッズが販売されています。

ワイナリーツアーが4種類設定されていて、オムニスルームでシャトー・メルシャンの各種ワインをテイスティングを楽しみながら椀子ヴィンヤード椀子ワイナリーを見学することができます。

テイスティングカウンター

に置かれた“椀子のあわ シャルドネ”

ワインショップ

オムニスルーム

 

名 称 シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー
住 所 長野県上田市長瀬146-2
電話番号 0268-75-8790
営業時間 10:00~16:30 テイスティングカウンター/ラストオーダー16:00
営業日 営業日カレンダーによる
定休日 営業日カレンダーによる
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