「まいぷれ上田・東御」取材レポート
国内で超難関!「信州 匠の時計修理士 1級」取得の上田の時計屋さん
今年も第15回目となる「信州 匠の時計修理士 認定証授与式」を昨年に続き取材させて頂きました。
今やクオーツ時計が登場して以来、機械式腕時計は少なくなってしまい、それに伴い修理技能士も少なくなってしまいました。そんな中、“長野県時計宝飾眼鏡商業協同組合”によって技術・技能の継承を図る取組みが平成16年から始まりました。 同年に長野県が 創設した「技能評価認定制度」第1号となり、機械時計の機能・構造・分解掃除・故障修理・ 時間調整等に関する知識技能の講習会を受け、技能評価試験の合格者に与えられる称号が“信州 匠の時計修理士”です。
“信州 匠の時計修理士”は1級・2級・3級と特級(A級+1級)・A級(精密時間調整課題)の等級があります。1/1000mmから1/100mmの精度が求められる技能試験は相当に難しく、3級でも“国家認定1級時計修理士”よりも難易度が高いと言われていています。1級が時計修理士の頂点と言えます。
昨年(平成29年)厚生労働省より委託している中央職業能力協会で選定している「地域発!いいもの」に信州匠の修理士制度がものづくり産業振興、技能者育成等に資する特色ある取組や制度として選定されました。
そして来年(平成31年)1月に「地域発いいもの好事例集」に掲載されることになりました。
OMEGAスピードマスター機械部分
修理をされている一之瀬社長
◆一之瀬公(いちのせただし)さん
一之瀬公さんは上田市中央にある時計屋さん“ヨロズヤ時計電気有限会社”(以後“ヨロズヤ”)を営まれている代表取締役社長です。
一之瀬社長は「信州 匠の時計修理士1級」、「国家認定1級時計修理士」、「時計修理 ものづくりマイスター」、「職業訓練指導員(時計科)」などを取得されていて、平成25年に「信州の名工」として表彰されています。
また、“長野県時計宝飾眼鏡商業協同組合”の理事も務められていて、“第15回 信州 匠の時計修理士認定証授与式”の司会をされました。
◆“ヨロズヤ”さんの詳しい情報はこちら。
信州 匠の時計修理士認定証授与式 次第
司会進行役の“一之瀬社長”
12月12日(水)茅野市にあるマリオローヤル会館で“第15回 信州 匠の時計修理士認定証授与式”が行われました。
今年は、特級認定者:1名、A級認定者:1名、1級認定者:該当者無し、2級認定者:8名、3級認定者:10名の計20名の方々が合格認定されました。
◆受験された皆さんは大概は“長野県時計宝飾眼鏡商業協同組合”が主催している“時計修理技能技術養成講座”で半年間勉強され受験されています。
※興味がある方はこちらからご覧下さい!
主催者代表挨拶
長野県時計宝飾眼鏡商業協同組合
中澤國忠 理事長
会場の様子
井原日菜子さん
井原日菜子さん
今回特級とA級の認定を受けられた井原日菜子さんのお話にお聞きしました。
井原日菜子さんは高校卒業後、長所である手先の器用さを活かせる仕事に就きたいという思いからシチズン時計マニファクチャリング株式会社に入社されたそうです。入社後、時計に携わる部署に就き、中央職業能力開発協会(JAVADA)主催の“技能五輪”に出場されたそうです。
その当時、難易度の高い技能を求められる『信州 匠の時計修理士』の認定制度に挑戦し、更なるレベルアップを目指したそうです。
試験に向けて苦労された点は技能試験の課題である外装関係(ケース研磨)をどこまで仕上げるかなど講師の方に指導をして頂き習得されたそうです。
極めるための技能の感覚は毎日訓練によるものだそうです。毎日積み重ねているとフッと出来る瞬間が訪れ、コツが掴めるのだそうです。
機会を与えてくれた会社に感謝し、特級取得で培った技能や技術を次世代に継承し、貢献をしていきたいとおっしゃっていました。
※1名欠席
※2名欠席
特級:井原日菜子さん 2級:清水眞生さん 3級:松澤絵美さん(欠席)
井原日菜子さん
清水眞生さん
認定証を授与された皆さん(写真は一部の方々)
信州匠の腕時計“TAKUMisM Shinshu”があります。
この腕時計は“セイコーインスツル株式会社”製のムーブメントを“信州匠の時計修理士1級”認定者により最終調整がされた日差が+15秒から-10秒という精度を持った“長野県時計宝飾眼鏡協同組合”オリジナルの機械式腕時計です。第3弾から7年、平成29年3月31日に限定200本発売されました。
ロゴには“TAKUMisM Shinshu”と“TAKUMisM Japan”2つあります。どちらも“信州匠の時計修理士1級”認定者が最終調整した製品です。
※“ヨロズヤ”さんにてTAKUMiSM Shinshu(第5弾)販売しています。また“TAKUMiSM Shinshu(第4弾)”が1本あります。お問い合せしてみては如何でしょうか。
“ヨロズヤ”さんにある“TAKUMisM Shinshu”
“TAKUMisM Shinshu(第4弾)”