「まいぷれ上田・東御」取材レポート
上田市の様々な出来事を取材していく“市民リポーター”を育てる講座
「上田市役所政策企画部広報シティプロモーション課」が主催する「上田市市民リポーター養成講座」が開催され、9月28日に7名の市民リポーターが誕生しました。
この全講座の様子をまとめてお伝えいたします。
講座は市民リポーターが取材に必要とされるライティング、写真技術、実際の取材などを全5回で学ぶ講座です。
◆「まいぷれ上田・東御」の私、TAMAGAWAも第5回目を講師として受け持つことになりました。
地域の再生や観光の振興、市民の協働などの活性化を図るための概念です。
上田市に限らず、その地域内外に地域の魅力を発信し、知名度を上げると共に、地域が注目されることを目的に全国の各地域で活動がされています。
その結果として資源(ヒト、モノ、カネ)の獲得が期待されたり、そこに住む人達が地域への愛着や誇りを育む機会となります。
【上田市が取り組むシティプロモーションとは】
地域の魅力を情報発信し、受け手となる人たちとの良好な関係を創造する。
誰が
まずは、市職員が広報パーソンであるという意識を持ち、オール市役所で情報を発信する。
その上で、上田市のPRに関わることができる市民、市と関わりを持っている企業や市外の
上田ファンなども巻き込みながら、より多くの人が幅広い視野を持って情報を発信する。
誰に何を
市民に向けた誰もが分かりやすい情報の発信に加え、若者(学生)、高齢者、子育て世代、
観光客、移住を考えている人、企業など、情報を必要としている人に対して、求められてい
る情報を情報の受け手や伝達手段を選択して発信していく。
どのように
誰が、誰に何を情報発信するのか、その種類、組合せなどの創意工夫により、常に情報に
メッセージ性があり受け手に伝わる情報を戦略的に構築し、様々な媒体を駆使して発信していく。
1.基本的な考え方
上田市の持つ「人・食・文化・産業・情報」など多様な魅力を、市内外に発信すること
で、良好な都市イメージ(=都市ブランド)を形成し、多くの人から本市が「来たい・ま
た来たい・住みたい・住み続けたい都市」として選ばれるための一連の取組みをシティプ
ロモーションと定義します。
上田市ホームページ「上田市シティプロモ-ション推進指針」より
現在、上田市のシティプロモーションは「上田市シティプロモ-ション推進指針」(平成30年1月策定)の中に掲げられている3つのステップのうちSTEP2(ステップ2)に進んでいます。
STEP1(ステップ1)での代表的な活動には平成30年9月26日に上田市のWebサイト「うえだ大好き」のスタートがあります。
★詳しくは上田市のホームページをご覧下さい
上田市では主に「うえだ大好き」を通して、より上田市の様々な魅力的な情報を発信するために18際以上で上田市に在住、在勤、在学(高校生は除く)の方々を対象に上田市民リポーターの募集を令和元年5月16日(木)から6月21日(金)まで行いました。
その結果、8名の応募者があり、7名の方が上田市民リポーターとなる承諾を得て活躍することになりました。
活動期間は登録された日から令和2年3月31日までとなっています。
上田市民リポーターは上田市内のイベントや身近なまちの話題、地域活動などを取材し、上田市へ記事や写真を提供することを担います。
※「うえだ大好き」の公開時の記者会見を「まいぷれ上田・東御」で掲載しています。
7月20日(土)に上田市役所南庁舎6階で第1回目の養成講座は始まりました。
上田市役所政策企画部広報シティプロモーション課係長の宮澤良久(みやざわよしひさ)さんの進行で始まりました。
冒頭に上田市役所政策企画部広報シティプロモーション課課長課長の清住忠広(きよずみただひろ)さんから「平成22年にシティプロモーション課は仕組みを変え、外交的なプロモーション(アウタープロモーション)を中心とした活動してきた。平成30年1月に「上田市シティプロモ-ション推進指針」が策定され、ステップ1を経てステップ2の段階にあります。インナープロモーションも充実する上で昨年立ち上げた上田市のWebサイト「うえだ大好き」の情報発信は重要だと考えています。
しかしながら職員だけでは上田の魅力を伝える情報には限界があると考えています。今回、上田を愛する皆さんが市民リポーターとなり、またチームとなって、様々な上田の魅力を情報発信してくださることを期待しています。」と挨拶がありました。
また、この上田市市民リポーター養成講座のプロデュースしている株式会社日広の営業第1グループリーダー副部長の中澤俊春(なかざわとしはる)さん、企画開発室クリエイティブディレクター・コピーライターの山浦直(やまうらなお)さんがサポートとして参加しています。
宮澤良久さん
清住忠広さん
写真:左)山浦直さん 右)中澤俊春さん
第1回の“ライティング”の講師を勤めるのは株式会社長野こまち「月刊長野Komachi」編集部の町田あけみ(まちだあけみ)さんです。長年、ライターや編集、校正などに携われいて現在も活躍されています。
町田あけみさん
講師や関係者の紹介の後、上田市民リポーターに応募された皆さんの自己紹介がありました。
上田で生まれ育った方、最近上田に移り住んだ方、年代も職業も違う皆さんですが、上田が大好きで上田の魅力を伝えたいという思いは共通なようです。
自己紹介の様子
ライティングの講座内容は大きく分けて取材と記事作成について学びました。
取材では事前準備の大切さやアポ取り、実際の取材のポイントなどを学び、記事作成では書きたい内容を事前にイメージする事や5W1Hを確認すること、文章を読みやすくするための表記などを学びました。
※5W1H:When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)を示す言葉
市民リポーター養成講座の様子
この講座の締めくくりとして、実際に原稿を月刊長野Komachiに掲載されているお店の記事から魅力をピックアップして、見出し:15文字以内に本文:200文字以内にまとめ、添削を受けました。
皆さんの原稿は魅力を伝える表現やニュアンスなどがよくまとめられていたようで、講師から高評価を貰っていました。
原稿作成のポイントがレクチャーされ
原稿を作成する様子
記事の添削を受ける受講者の皆さん
7月3日(土)に第2回、第3回の養成講座がありました。
今回は、Web記事で目立つ写真のコツや一眼レフカメラの広がる写真の特徴を第2回(上田市役所南庁舎6階)で学び、第3回は実際にお店さんに出向き、記事を想定した写真を撮る実習を行いました。
第2回の“写真撮影”の講師を勤めるのは海野写真事務所の海野勝(うんのまさる)さんです。「APA公益社団法人 日本広告写真家協会」の正会員でプロのカメラマンとして活躍されています。
海野勝さん
写真撮影はスマホや携帯のカメラ機能で撮る場合や一眼レフカメラで撮る場合があります。
一眼レフカメラでは絞りやシャッタースピードなど調整することでいろいろな表現に撮ることができます。
スマホや携帯のカメラでも最近では撮影機能が増え、一眼レフカメラのようにいろいろな表現に撮ることが可能になっています。
座学では基本的には被写体をどのようなバランスで撮るか、食品であれば、美味しそうな感じを出すために例えばシズル感などを出すとかがあります。
その場合に必要とされるのが光りの量や質、方向などです。今回の講座ではその光りをコントロールするためのレフ板を使った撮影や構図をを学びました。
海野さんの指導でレフ板を使い、光りの当り方をいろいろ変えてどのように写るか体験し、光りによって被写体の写り方の違いがあることにを受講者の皆さんは感心していました。
※被写体は色とりどりのマカロンが用意されました。
レフ板を使っての撮影(被写体は色とりどりのマカロン)
取材実習は上田市中央にある「御菓子処 千野」さんの協力を頂き、行われました。
『御菓子処 千野』さんは昭和5年に上田市原町で創業をされました。以来、上田の地を代表する和菓子屋さんとして営まれてきました。
代表的で人気な和菓子に信州上田を表現した繭の郷(まゆのさと)〈第二十五回全国菓子大博覧会 茶道家元賞受賞〉、蕎麦饅頭(そばまんじゅう)、真田石(さなだいし)、そばまる、くるみゆべし、凍豆富(しみどうふ)などがあり、お茶の友やお土産として愛されている定番商品です。
また、上生菓子として日本の四季(春夏秋冬、花鳥風月)を表現し、ひとにぎりの餡(あん)に託した和菓子は目でも味でも楽しませてくれる一品で5種類ほどが季節限定で店頭に並びます。
御菓子処 千野さんの看板
取材に訪れた受講生
取材の実習では第1回のライティングで学んだ5W1Hを元に構成を概ね描いてから、写真撮影やインタビューなどを行っていきます。
お店さんの場合は特に重要な要素、外観や店内、商品などの写真撮影があります。
受講者の皆さんは第2回で学んだレフ板を使用して商品に光りの当り方を工夫しながら撮影をしていました。
「御菓子処 千野」代表取締役 千野雅芳(ちのまさよし)さんにお店や商品についてのインタビューを行いました。インタビューの参考として、第1回の講師の町田あけみさんが取材の内容やポイントを踏まえ行い、続いて受講者の皆さんがインタビューを行いました。
一連の取材の基礎を学んだ受講者の皆さんは次回(第4回)では、記事を作成するための取材実習をする事となります。
お店外観の撮影
千野さん(写真右)にインタビュー
レフ板を使って和菓子を撮影
8月24日(土)、上田市立博物館で開催されていた「企画展 上田の水害」を取材実習の場所となりました。
企画展はこの「戌の満水」(いぬのまんすい)を中心に、過去の災害から学び、これから起きるかも知れない水害への防災について問いかけた展示会です。
上田市立博物館と「企画展 上田の水害」のポスター
上田市立博物館に入館する前に受講生たちは「取材」と書かれた腕章と名札が渡され、いよいよ記事を作成するための取材に挑みます。
腕章と名札を付ける受講者
長野県を南北に流れる千曲川(ちくまがわ)は古くから氾濫を繰り返してきました。その中でも史上最悪レベルと言われるのが、寛保2年(1742)戌年に起きた「戌の満水」です。
この「戌の満水」と呼ばれている千曲川の氾濫、記録によると長野県の領域(佐久地域:上流~北信地域:下流)で死者約3000人をだしたそうです。
上田地域では水位が約9.6mもあがり、流失家屋 674 戸、砂入家屋 447戸、死者 196 人あったとあります。
前もって資料などを元に下調べしてきたこの展示会、各自の概ね描いたテーマと内容に従いながら取材を開始し、最初に上田市立博物館の松崎さんから展示資料の内容が説明され、各々が質問をしたり、展示品などから情報を収集し、取材を進めていました。
説明を聞く受講者
展示品から情報を収集している受講者
この日の取材内容を約1000字程度の文章と数枚の写真を使って記事を作成し、第5回目(最終回)の前に提出します。最終回ではその記事内容の添削がされ、受講者の皆さんは町田あけみさんからアドバイスを貰うこととなります。
・記事のまとめは「まいぷれ上田・東御」のランチ特集の記事を参考にして頂くこととなりました。
次回の講座に向けた案内や緒事項を伝える様子
8月31日(土)、最終回となるこの回は、前半に町田あけみさんにより、前回取材した上田市立博物館「企画展 上田の水害」をまとめた記事の添削を中心に進められました。
受講者の皆さん一人ひとりから記事のテーマや要点、感想を聞きながら、記事にまとめる際のアドバイスなどを丁寧にされていました。
添削を受ける受講者
町田あけみさん
記事のテーマや要点、感想を話す受講者
最終回後半は「まいぷれ上田・東御」の私がWeb上での記事の要点についてお話をいたしました。
テレビとも新聞、雑誌とも違うWeb、大きくはパソコン、スマホ、携帯で閲覧されますが、特徴はスクロール(上から下へ)して情報が見られる事です。よって原稿の仕立て方も違います。
また、ポータルサイトでは記事の内容もブログや新聞などの報道とも異なる構成が主流です。
そんなWeb特有の記事作成のポイントなどを「取材の手引き」と題した資料を基に、写真撮影の方法や原稿作成のポイントや留意点を皆さんにお伝えしました。
「取材の手引き」でWeb上での記事説明
説明をする私
9月28日(土)上田市役所南庁舎6階で「上田市市民リポーター養成講座」を経て、この度上田市民リポーターとなった皆さんに腕章と名刺が渡されました。
上田市役所政策企画部広報シティプロモーション課係長の宮澤良久さんから早速、今後の取材依頼の説明もあり、リポーターのなった皆さんがいよいよ上田市のいろいろなイベントやお祭り、展示会、市民活動などなどを記事にして上田市のポータルサイト「上田大好き」に掲載されます。
今後の取材依頼を聞く上田市民リポーター
上田市民リポーターの腕章、名刺など
市民リポーター養成講座での記念撮影
写真:上段左から)柳沢悦郎さん・清水万里子さん・村上泰隆さん
写真:下段左から)野々村奈緒美さん・今泉裕輔さん・川口稔さん
・南波勲さんはスケジュールの関係で欠席されました。
今回7月20日に始まった「上田市市民リポーター養成講座」は全5回の講座を終わり、7名の市民リポーターが誕生しました。魅力ある上田市の情報をたくさん発信していって頂きたいと御活躍を願います。
また、「まいぷれ上田・東御」としても上田市、東御市の情報をこれからもたくさん発信していきたいと思います。