酒米作って、戸沢活性化プロジェクト!
“戸沢酒米作りプロジェクト”・・・稲刈り!!
戸沢自治会の活性化を目的として、酒米作りを通して国選択無形文化財に指定されている“戸沢のねじ行事”を盛り上げようと立ち上げたプロジェクトです。
今年、平成30年2月15日に「戸沢酒米作りプロジェクト委員会」が発足され、活動プランや計画が作られスタートすることとなりました。具体的には“戸沢ブランドの日本酒を作る”、酒米のわらを使った“わら馬作り”、酒米の米粉を使った“ねじ作り”などを目的に活動されます。
また、育てられる酒米は酒造好適米水稲新品種の“ひとごこち”です。
“ねじ”は米の粉にお湯を加え練り上げたものを野菜や果物、花、動物などの形にし、赤や緑の食紅で色づけされたのち蒸し上げて作られます。中にはあんこが入っているそうです。
毎年2月8日にその“ねじ”を台車に乗った“わら馬”(藁で形作られた馬)に背負わせ、子ども達が戸沢地区の中心にある道祖神の前まで引いていきます。道祖神に“ねじ”をお供えし、子ども達の無病息災、健やかな成長を祈ります。
その後、お供えしたねじをお互いの子どもの成長を願い交換し合われ、わら馬を引きながら家に持ち帰ります。家に着くとわら馬を屋根に投げ上げます。これは災いをわら馬に背負ってもらい、天高く昇っていってくれるようにとの願いからだそうです。このようにして行われるお祭りが“戸沢のねじ行事”です。
戸沢地区の中心にある道祖神
わら馬
色々な形に作られた“ねじ”
道祖神にお供えされた“ねじ”
今年で2年目を迎えた「戸沢酒米作りプロジェクト委員会」、6月2日に“田植え”が行われてからのこの間、水の管理がされ、育ってきたタイミングで水を抜く“中干し”や“除草”という作業が行われ、約4ヶ月育てられた“ひとごこち”は10月5日(土)初夏を思わせるような好天の中、戸沢地区、上田地域から参加の20名程で待望の稲刈りが行われました。
“ひとごこち”は酒米として適していると言われる酒造好適米で長野県農事試験場で育成されたお米の品種です。
今年6月2日の田植えの様子
撓わに実った“ひとごこち”
昨年に続き撓わに実った稲を前に、プロジェクト委員会実行委員長の宮島泰弘(やすひろ)さんから「春に皆さんで田植えを行った苗が立派に育ちました。田んぼの管理を手伝って頂いた皆さんに感謝します。怪我のないように稲刈りを楽しみましょう」と挨拶があり、いよいよ稲刈り開始です。この日は気温が真夏並みに上がる予報もあり、熱中症などにならないようにと全員でまずは水分補給してから作業です。
挨拶をする宮島泰弘さん
作業前に水分補給
参加者の中には6月2日に行われた田植えに参加した方やご家族で参加された方々も多くいらっしゃいました。
手による稲刈りはまず、稲刈りが初めてという参加者もいて、プロジェクトメンバーが刈り方を伝授、稲を5株ほど刈り、1束にまとめます。それを藁で縛り出来上がりです。
今回は主に子供達が稲を刈り、大人が束ねるという連携で稲刈りは進められました。一枚の田んぼは約1時間ほどで刈り上げられました。
稲刈りする子供達
束ねる様子
“戸沢酒米作りプロジェクト”がスタートしたときから一緒に取材をされているUCVさんも来られ、稲刈りの様子を取材。
UCVさんの取材の様子
今回の“ひとごこち”の育ち具合とお酒への期待をプロジェクト委員会実行委員長の宮島泰弘さんにお話を聞きました。
「稲の育ちは良く、戸沢の“ひとごこち”のお酒ができそうです。予定では1月に終わりに仕込まれて3月に販売となりそうです。楽しみです。」と話されました。
プロジェクト委員会実行委員長 宮島泰弘さん
稲刈りは順調に進み
稲刈りが終わった田んぼ
束ねられた“ひとごこち”
稲刈りも進み、休憩を挟んで稲を乾燥させるための“はざかけ”作業です。
“はざかけ”にも要領があって、1段目に掛けられる束は1束を2対8程度に分け、交互にはざ棒に掛けていきます。2段目(1段目の上に重ねられる)となる束は1束を5対5に分けて掛けていくのだそうです。これはたくさん掛けられることと稲の乾燥が均等になるように昔からの知恵だそうです。
天日で干される期間は天候に左右されるそうですが、10日~20日間程度だそうです。
その他の田んぼの稲は機械によって刈られました。刈り上げられた稲束は“はざかけ”がされ、全ての田んぼの稲刈りは終了です。
田んぼの片隅のタンポポも秋の様子
“はざかけ”が終わると、“ひとごこち”は天日による乾燥を経て、脱穀され、精米され、お米の等級が判定されることになります。3等級以上であれば特定名醸酒となるそうです。各等級に分けられて岡崎酒造株式会社さんで仕込まれます。
昨年の3月の開墾・整備から2回目の収穫となる『酒米作って、戸沢活性化プロジェクト』の“ひとごこち”、昨年は約300坪の田んぼから約540kg(420kg)の“ひとごこち”が収穫され、酒造好適米としての等級も上位評価でした。
しかし、お酒を作る際には1つの醸造タンクで約810kgのお米が必要で、昨年の収穫量では残念ながら1タンクを満たせず、他の地域の“ひとごこち”と合わせてお酒になりました。
今年、作付面積を倍の約600坪に増やした田んぼの稲は順調に育ち、収穫量も約1080kg(820kg)になりそうです。岡崎酒造株式会社さんで戸沢の“ひとごこち”だけでお酒が造れる可能性があり、戸沢ブランドの銘酒“亀齢 (きれい)”が期待できます。
※()内の数字はお酒にするため、精米された時のお米の重さになります。
「まいぷれ上田・東御」では今後もお酒が出来るまで取材をさせて頂き、「まいぷれ上田・東御」取材レポートでご紹介していきます!
酒米作って、戸沢活性化プロジェクト(2019)!(その2:稲刈り)
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酒米作って、戸沢活性化プロジェクト(2019)!(その1:田植え)
“戸沢酒米作りプロジェクト”・・・田植え!!
酒米作って、戸沢活性化プロジェクト!(その7[最終章])
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