上田小県地域の神社
生島足島神社にて斎行された古式ゆかしい祭事
11月23日(土)に生島足島神社にて大嘗祭奉祝奉告祭が斎行され、取材をさせて頂きました。
一昨年平成29年8月に「まいぷれ上田・東御」がオープンして以来、生島足島神社の主要な祭祀や神事を取材させて頂いております。
今回で3回目となる新嘗祭(新穀感謝祭)の取材ですが、新天皇陛下が即位(御代替り:みよがわり)され令和となった今年は大嘗祭奉祝奉告祭が斎行されました。
まずは“お祭り”について少し。お祭りというと「年末感謝祭」「文化祭」「○○祭り」など賑わう様子を思い浮かべますが、本来“お祭り”の「まつり」の語源は神様の力に従い「まつらう」という言葉に由来するそうです。また、神様は遠い所から来て、山や岩や木に宿ると考えられていて、神様が現れるのを「まつ(待つ)」という意味が「まつり」に込められてるそうです。
もちろん、神社においても山車が出たり笛や太鼓の調べ、屋台など賑やかな側面もあります。
お祭りは“祭祀(さいし)”と呼ばれます。全国共通に行われる祭祀には「大祭」「中祭」「小祭」に区分されています。
「例祭(れいさい)」「祈年祭(きねんさい)」「新嘗祭(にいなめさい)」「式年祭(しきねんさい)」「鎮座祭(ちんざさい)」「遷座祭(せんざさい)」「合祀祭(ごうしさい)」「分祀祭(ぶんしさい)」
「歳旦祭(さいたんさい)」「元始祭(げんしさい)」「紀元祭(きげんさい)」「昭和祭(しょうわさい)」「神嘗奉祝祭(かんなめほうしゅくさい)」「明治祭(めいじさい)」「天長祭(てんちょうさい)」
大祭、中祭以外の祭祀
例えば「月次祭(つきなみさい)」「日供祭(にっくさい)」「除夜祭(じょやさい)」などがあります。
その他にも神社ごとに祭祀があります。
新嘗祭(にいなめさい)または(しんじょうさい)と呼ばれる、春の「祈年祭」に対して、11月23日に行われるお祭りです。
11月23日は「勤労感謝の日」として国民の祝日となっていますが、本来は新穀を供えるお祭りの日です。
宮中の神嘉殿(しんかでん)では、天皇陛下御親(おんみずか)ら新穀を神さまに捧げ、その年の収穫を感謝する新嘗祭(にいなめさい)が執り行われ、全国の神社でも斎行されます。
このように、日本人はお祭りを通して神さまの恵みに感謝をささげてきました。
今日もおいしいお米が頂けることを「あたり前」とは思わずに、常に感謝の気持ちを持ち続けたいものです。(神社本庁ウェブサイトより)
※昨年同様にお祭事の様子を順序に従い写真を中心にお伝えします。
手水をとり、参進する前に神職及び参列者は社務所前に整列して、対拝し、祓戸(はらえど)へ向かいます。
手水の様子
整列し一礼
祓所へ向かう様子
結界の縄が張られた祓戸(はらえど)で宮司以下、参列者が修祓(しゅばつ)を受けます。
大麻(おおぬさ)でお祓いし、塩湯(えんとう)で清め祓いが行われ、一行は御本社本殿に向かいました。
祝詞の奏上
大麻でお祓い
塩湯でお祓い
御本社本殿(上宮)に向かう一行
御本社本殿に入り、所定の座に着き、宮川宮司が神前にて拝礼されました。
続いて、宮司により御本殿の御扉が開かれました。このときに神様がお出ましの時に警蹕(けいひつ)があげられます。警蹕(けいひつ)とは、「お~」と神職が発する独自の声で祭祀に参加している者に対して、畏(かしこ)みを促すものです。
所定の座
御本殿の御扉が開かれます
神前に新穀のお米、お酒、をはじめ、海の幸、山の幸などの神饌がお供えされ、神社本庁幣が奉られ、御歳代(神田)で収穫された稲穂が捧げられました。
御歳代で収穫され、整えられた稲穂
献饌の様子
神社本庁幣の献幣の様子
宮司による祝詞の奏上がされました。
神楽が奏でられる中、横山巫女さん、樋口巫女さんによる「浦安の舞」が奉納されました。
「浦安の舞」の奉納
宮司が玉串拝禮をし、続いて参列者代表が玉串拝禮、松沢氏子総代長が玉串拝礼し、同時に氏子総代の方々が列拝を行いました。
神前にお供えした神饌、神社本庁幣が徹せられました。
玉串拝礼
玉串拝礼
撤幣、撤饌の様子
宮司に合わせて神職、参列者一同が拝礼を行いました。
皇居に向かい、一同が皇居遥拝(二拝二拍手一拝)し、聖寿万歳がされました。
皇居遥拝
聖寿万歳
御本社を退出し、一行は摂社諏訪神社(下宮)に移動しました。
一行は御本社本殿(上宮)の対にある摂社諏訪神社(下宮)に拝礼されました。
宮司が神前にむかい玉串拝礼、同時に神職が拝礼をし、続いて参列者代表が神前で玉串拝礼、同時に他の参列者の方々が列拝されました。
摂社諏訪神社(下宮)に向かう一行
摂社諏訪神社(下宮)
玉串拝礼
玉串拝礼
拝礼の後、社務所前に向かい、一同整列し対拝しました。その後、斎館にて直会が行われ、祭事は終了となりました。
今回、境内にある神楽殿にて地元“東塩田小学校”の6年生の3名の皆さん(横関真帆さん、永井彩名さん、依田恵さん)によるお神楽「浦安の舞」が披露されました。
この日の為に、たくさん練習を重ねてきた舞いは、しなやかで美しく3人の息の合った素晴らしい舞いでした。
横関真帆さん、永井彩名さん、依田恵さん
【「浦安の舞」について】
「浦安の舞」は昭和天皇が昭和8年に詠まれた和歌を歌詞に宮内庁で振付を行い完成した舞いが「浦安の舞」です。
浦(うら)は古語では“心”と言う意味で、安(やす)は“安らか”、“穏やか”という意味だそうです。日本は「浦安国」と日本書紀にも書かれています。「浦安の舞」は日本が心安らぐ国・平安な国であることを祈る舞いなのだそうです。
「浦安の舞」は扇舞(前半)・鈴舞(後半)からなります。扇舞に使われる扇には松竹梅や鳳凰が描かれ、飾り紐や松や梅などの飾りが付いています。
また、鈴舞では上から三個・五個・七個の鈴が付けられた神楽鈴が使われます。この神楽鈴の形は稲穂を表していて、五穀豊穣を願う意味があるそうです。
また、鈴の音は邪気を追い払うとされています。
※「浦安の舞」の鈴舞では三種の神器を模した鉾鈴(ほこすず)が使われることろもあります。
祓戸にて池内禰宜さんにより、「浦安の舞」奉納の前に横山祭典部長、舞手の3名と舞を指導してきた横山巫女さん、樋口巫女さん、が修祓を受けました。
神楽殿にて横山祭典部長から、舞手の紹介や「浦安の舞」についての説明がされたのち、「浦安の舞」が奉納されました。
修祓
写真左から)横山祭典部長、横山巫女さん、横関真帆さん、永井彩名さん、依田恵さん、樋口巫女さん
扇舞
鈴舞
令和2年元旦は「歳旦祭(さいたんさい)」になります。
新年を祝い皇室の弥栄と国の益々の発展を祈るとともに、氏子崇敬者と地域社会の平和と繁栄を祈り元旦に行われるお祭りで、中祭にあたります。(神社本庁ウェブサイトより)
生島足島神社 恒例祭の案内
境内の案内図
名称 | 生島足島神社 |
住所 | 長野県上田市下之郷中池西701 |
連絡先 | 0268-38-2755 |